「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」
 ~ 改訂版ISO 14001への組織の対応について ~
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 

 

今回は、前回紹介した「環境マニュアル」の章立て、8章の順守評価内部監査マネジメントレビュー、9章の改善[ACT]、と4章のリーダーシップ、6章の支援についてISO14001:2015を参照しながら考察を進めていく事にする。

「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」
 ~ 次期改訂版ISO 14001への組織の対応について ~
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 

 

ISO14001:2015が2015年9月に発行された。

 前回は、ISO 14001、ISO 9001、OHASA 18001、ISO 27001でのリスクの特定とリスクアセスメントの考え方について整理した。リスクを決定する際、目的を明確にすることが重要であり、ISO 14001では、環境側面、4.1及び4.2で特定した課題からリスクを設定すればよく、著しい環境側面の決定及び優先的に取組むべき課題の絞込みが事実上のリスクアセスメントになることを述べた。

 今回、以前紹介した「環境マニュアル」の章立てを7章 運用〔DO〕においてリスクをどのように管理し、8章 パフォーマンス評価〔CHECK〕への流れについて考察を進めて行く事にする・・・

「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」
 ~ 改訂マニュアルのポイント2 ~
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 

 

IISO14001:2015が2015年9月に発行された。

前回、「ISO14001に基づく環境マニュアルの章立て」を示し、EMS運用のメインの流れである、1章 適用範囲、2章 EMSの適用範囲、5章 計画【PLAN】について解説した。今回、ISO14001、ISO9001、OHSAS18001、ISO27001でのリスクの特定とリスクアセスメントの考え方について整理し、比較検討してみたい。そして、それらの手順を共通化することが可能かどうかについて考察を進めることにする・・・

「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」(第7回)
 ~ 改訂マニュアルのポイント1 ~
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 

 

ISO 14001の改訂作業が進められている。2014年7月に、DIS(規格原案)が発行され、2015年2月の東京と4月のロンドンでの追加の会合を経て、6月にFDIS(最終規格原案)が出され、9月にISOが発行される見込みである。

ISO/DIS 14001の要求事項でISO 14001:2004との違いを整理しながらEMSの運用の流れを踏まえ、可能な限り現在の「環境マニュアル」を活かしての「マニュアル」改訂のポイントについて筆者の考えを述べてみたい・・・

 
「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」(第6回)
 
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 

「Do」運用の計画及び管理

以前にも述べたことだが、取組みを実施するための必要なプロセスの計画に、「統合版ISO補足指数-ISO専用手順 Appendix2」に規定した「6.1」で決定した取組みに加え、目的の達成計画である「6.2」を追加したことは、大いに意義があると考える。

 

 
「次期改訂版ISO14001に基づくEMSの運用についての考察」(第5回)
 
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝

出典:CEAR誌(一部加筆)

「ISO14001規格」の改訂作業が進められ、順調に進めば2015年6月ないし7月に規格が発行される見込みである。

 以前は、CD.2からDISへの移行の中、「1.適用範囲」、「6.1などリスクに関する箇条」、「8.運用におけるバリューチェーンの取扱い」などの変更点について考察した。

今回は、Planの部分についての考察をさらに進め、それを受けてのDoCheckActへの流れと運用について考えてみたい。

 

 

 

「次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察-(第4回)」
 
LMJジャパン主任講師(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝
出典:CEAR誌(一部加筆) 
4. 著しい環境側面、リスク及び機会の決定

 著しい環境側面、リスク及び機会を決定するための“基準”ISO 14001/CD.2「6.1.4 著しい環境側面並びに組織リスク及び機会の決定」(DISでは“脅威及び機会に関連するリスク”)では、著しい環境側面等を決定するための手順の中に“基準”の確立を求めている。
この“基準”とは、どんなものになるであろうか。

 「著しい環境側面」については、従来のEMSで設定していた、例えば、[結果の重大性]×[発生の可能性]の点数が○点以上となった場合や、「環境方針で示した事項に整合したものである」ことなどをもって「著しい環境側面」と決定するというのも一つの“基準”である。

 その他、今度の改訂版では、環境側面が“組織の課題”に関連するものであれば、EMSの中で目的として設定して、その達成を図る。あるいは、日常的に管理を実施していくものにつながる事になる。“組織の課題に関連する”ということも「著しい環境側面」を決定する“基準”の一つとなると考える。同様に事例に示したように「課題」及びそれに導かれた「意図する成果」に関連することが、「リスク」及び「機会」を決定するための基準となるのではなかろうか。
 

 


 

 

「ISO/TS 16949 IATF承認取得・維持ルール(TSルール) 第4版 改訂について」
 

 

LMJフォーラムメンバー
住友電工 吉田 岳司氏/(考察:LMJ西澤義雄講師)
 

 TS16949のIATF認証ルールが、今年の4月から改定されました。 従来、顧客にはTS協賛会社(TSを要求する)、TS非協賛会社 (TSを要求しない)がありました。たとえば「GM、Fordさん向け製品はTSの活動をするが、 トヨタ、ホンダさん向けはやりません・・・」が、通っていたんですが、今改定で”すべての自動車顧客に対して・・・” に変更になりました!!。

 さあたいへん。 当社の製品すべてについて回り回って自動車に使われてないか?

 営業に調べてもらうと出るわ、出るわ。今まで電子機器向けと思っていた製品が、実は最終的に自動車用途だったり・・・TS16949認証会社たるもの ”部分的TS”はダメということですね・・・

 


 

 

CEAR/JRCA登録、IRCA対応研修
「タレントマネジメント事始め」 ~人材管理のためのヒント~

 

株式会社シルクロードテクノロジー  中村 究



皆様こんにちは。

先の三連休の土曜日(2014/7/19 21:00-22:13)に放送されたNHKスペシャル「シリーズ日本新生“超人手不足時代”がやってくる」という番組を皆様はご覧になったでしょうか。

番組の内容は「今後日本では労働力の減少が急速に進み、日本の経済は社会保障に深刻な影響が出ると予測される。既に介護や建設、外食産業等の分野では若年労働者の激しい争奪戦が繰り広げられている。」というものでした。
番組では外国人受け入れ拡大の是非に関する議論が白熱していましたが、私自身は、個別企業の課題としてこれまで以上に従業員一人ひとりのパフォーマンス評価と人材育成が重要になってくると感じました。

企業が経営戦略を達成するためには、事業領域を絞り込み、「ヒト、モノ、カネ、情報」の4つの経営資源を効率よく展開して競争優位を確立する必要があります。この4つの資源の中で世界の企業経営者が最近特に重視しているのが「ヒト」の管理、すなわち「タレントマネジメント」です。

日本では、この3~4年の間に知られるようになった専門用語ですが、これはテレビタレントのマネージャーのお仕事ではなく、社員のスキルや力量を「見える化」し、それを如何に活用していくかを表す概念です。
この分野では古くから労務管理、人的資源管理、人的資本管理などの表現が使用されてきましたが、最近ではより才能(Talent)の育成に重きを置く時代に変わってきており、タレントマネジメントという用語が広く使われるようになっています。

ISOの世界にも「力量管理」という概念があります。
例えば、JIS Q 9001:2008には6.2.2 力量、教育・訓練及び認識という項目があることは皆様もご承知の通りです。
これまでは規格毎に少しずつ表現が違っていましたが、Annex SL共通化指針の制定により、今後改訂されるISOマネジメントシステム規格では以下のような表現に統一されていくものと思われます。


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7.2 力量
 組織は、次の事項を行わなければならない。

・組織のXXXパフォーマンスに影響を与える業務をその管理下で行う人(又は々)に必要な力量を決定する。

・適切な教育、訓練又は経験に基づいて、それらの人々が力量を備えていることを確実にする。

・該当する場合には、必ず必要な力量を入手する処置をとり、とった処置の有効性を評価する。

・力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持する。
(Annex SL共通化指針より引用)

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これまで多くの企業において、ISOの認証取得と維持のために「スキルマップ」が作成されてきました。
しかし多くの場合、上司が部下のスキルの有無を一方的に判断して○×△を付けるだけで、本人にはフィードバックを行わない、いわゆる「労務管理型」の運用が行われています。
このようなスキルマップでは、社員本人が自分自身の強みと弱みを自覚し、問題意識に基づく自律的成長を期待することは困難です。超人手不足時代が到来する日本社会においては、一人ひとりの社員のスキルを見える化と、本人による自律的成長が重要となってきます。

この度LMJでは、この「タレントマネジメント」をテーマとした新たなセミナーを企画いたしました。QMSなどと比較してまだまだ確立されていない未踏の分野ではありますが、タレントマネジメントはこれから間違いなく重要なキーワードとなります。

本コラムを読んでタレントマネジメントに興味・関心をもたれた方は、この人材の育成と管理に関する最新理論を是非学んでみてはいかがでしょうか。
企業の第一線で人材育成の実務を担うみなさまのために、意欲的なプログラムをご提供する予定です。
本セミナーでは、実際の製造業、金融業、サービス業で使われている「スキルマップ」をご紹介させて頂きます。
また、受講者の皆様が自社に戻って簡便な「スキルマップ」を作成できるようにワークショップ(スキルマップ演習)の時間も設けています。

LMJのタレントマネジメント全容解説セミナー、どうぞご期待下さい。

■タレントマネジメントシステム全容解説セミナー
URL:http://www.lmj-japan.co.jp/other/TM-1.html


 

 

「次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察-(第3回)」
 

LMJジャパン主任講師
(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝

 


出典:CEAR誌
 
 前回、次期改訂版の特徴は「4.1組織及びその状況の理解」「4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解」から組織の課題を整理し、「1.適用範囲で意図した成果」を明確にして、特定されたリスクを除去あるいは低減しながら、環境側面を管理していくことだとして、その流れについて整理した。
(参照:前回「前置き」の表1「ISO14001:次期改定版の関連図」)

 今回、改めて「規格」のいう「リスク」(ISO 14001/CD.2ではリスクに「組織」が付され「組織リスク」という表現になっている。)「機会」の概念を整理し、「組織リスク」となった「リスク」の範囲、その展開「8.1 運用の計画及び管理」「6.2 環境目的及びそれを達成するための計画策定」を入れたことの重要性等についてさらに考察を進めてみたい。


 

 

次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察
-組織の状況・適用範囲・環境側面・リスクの関係-

 
LMJジャパン主任講師
(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝

出典:CEAR誌
 

 

EMSの運用についての考察(前置き)
EMSの運用についての考察(1.ビジネスプロセスとのリンク)
EMSの運用についての考察(2.リスク及び機会と環境側面)

 

3.ISO26000:2010社会的責任の手引-中核主題6.5環境のEMSへの取入れ

組織に適応を求めて影響し得る長期的な環境の変化として、ISO 26000:2010の中核主題箇条6.5に環境の4つの課題が上げられる。4つの課題を表3に示す。

表3 ISO 26000 :2010 中核主題 : 環境

20140604-06.jpg

 

ISO 26000では課題毎に、課題の説明と関連する行動及び期待が示されている。それに合わせ組織の状況から「課題」を明確にし、適用範囲で「意図する成果」を明確にし、環境側面、リスクを管理し、機会を利用しながらEMSを運用することになる。また、ISO 14001/CD.2の箇条8.2には「バリューチェインの管理」があり、これには「ISO 26000中核主題:公正な事業慣行 課題4 バリューチェインにおける社会的責任の推進」が参考になるかもしれない。



4.おわりに

ISO 14001規格が2015年を目指して改訂作業が進められている。2013年10月現在、規格はCD.2の段階となり、ある程度その考え方と形が見えてきた。ここでは、「MSS共通テキスト(要求事項)」の新しい考え方、組織の課題の明確化に着目し、それからのEMSの運用について考察した。課題の明確化により、よりビジネスプロセスと一体となったEMSの効果に期待し、今後の推移を見守っていきたい。

 

次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察
-組織の状況・適用範囲・環境側面・リスクの関係-

 
LMJジャパン 主任講師
(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝

出典:CEAR誌
 
EMSの運用についての考察(前置き)
EMSの運用についての考察(1.ビジネスプロセスとのリンク)

 

2.リスク(risk)及び機会(opportunity)と環境側面

「MSS共通テキスト(要求事項)」に新たに取り入れられた考え方に「リスクの概念(ISO 31000に規定されたリスクの概念)の導入」がある。
ISO 31000関連の「ISO Guide73:2009(JIS Q 0073:2010)リスクマネジメント用語」ではリスクは以下の様に定義されている。

次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察
-組織の状況・適用範囲・環境側面・リスクの関係-

 

LMJジャパン 主任講師
(AUDIX Registrars株式会社)
齋藤 喜孝


出典:CEAR誌
 

 

1.ビジネスプロセスとのリンク

次期改定に対する推奨事項に「EMSと組織の中核ビジネスとの関係、すなわち製品及びサービスと利害関係者との相互作用について(戦略レベルで)強化する」がある。
ISO 14001/CD.2の「5.1リーダーシップ及びコミットメント」に「組織の事業プロセスへの環境マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする」とあり、注記には「この規格で“事業”という場合、それは組織の存在の目的の中核となる活動及びプロセスという広義の意味で解釈することが望ましい」としており、EMSと本来業務、組織の課題とのリンクが求められている。このリンクについて、最近の審査での事例を紹介することにする。

〜CSR・環境保全活動に繋げるためのヒント〜
株式会社 地域環境計画
髙塚 敏 様


前回までの話はこちら・・・ 「生物多様性と企業活動」(1/2)


企業活動と生物多様性

国や行政だけの取り組みでは限界があるため、2006年に行われた「CBD COP8(クリチバ)民間参画決議」より民間企業が協力して取り組みを行うことが進められてきました。

2009年「生物多様性民間参画ガイドライン」では企業が何をすべきか方針が示され2010年には「CBD COP10(名古屋)」において「愛知目標」が採択されました。この目標には2020年までに各機関の関係者が持続可能な生産及び消費のための計画・行動を行い、自然資源の利用の影響を生態学的限界の十分安全な範囲内に抑えるという内容も含まれています。

この目標を踏まえ、企業では様々な取り組みが行われるようになりました。
一例として以下のような活動が挙げられます。 
 

次期改訂版 ISO 14001 に基づくEMSの運用についての考察
-組織の状況・適用範囲・環境側面・リスクの関係-

 
LMJジャパン 主任講師
(AUDIX Registrars株式会社 代表取締役)
齋藤 喜孝


ISO14001が2015年の改訂に向けて作業が進められ、2015年までどのように準備をしてけばよいか?あれこれとお考えの方が多いかと存じます。現在のドラフト段階である環境マネジメントシステム規格についてCEAR誌にて連載されている齋藤義孝氏のコラムをここにて紹介させていただきます。

出典:CEAR誌

現在、「ISO 14001規格」の改訂作業が進められている。作業は2013年10月時点でCD(Committee Draft).2の発行段階にまで至り、「規格」の骨格と主要な箇条、考え方がある程度見えてきた。
次期改訂版の特徴は、「4.1 組織及びその状況の理解」、「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」から組織の課題を整理し、「1.適用範囲」で「意図した成果」を明確にして、特定されたリスクを除去あるいは低減しながら、環境側面を管理していくことであると理解している。
少し時期尚早ではあるが、現在、得られている情報を基に次期改訂版ISO 14001に基づくEMSの運用について、「意図した成果」を達成するための各箇条の流れを整理し、その考え方について考察してみたい。