ISO9001:2015年版『パフォーマンス重視の内部監査』(第3部)

 

私は、ISO9001:2015年版の改訂が、既存のQMSを改善する“絶好の機会”だと思っています。

その為には、経営トップが製品の品質保証を通じて顧客満足を向上させて“事業活動の向上”を目指した目的を新たなQMS戦略として採用し、QMS改善の必要性“経営判断”して貰うことが必要となります。 これからその具体的な取り組みについて連載にて紹介させて頂きますので参考にして頂けたら幸いです。
(一部アイソス掲載記事2017年7月号に掲載)

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LMJジャパン主任講師   青木 明彦

 

第3部:製造工場に監査ブーム (年間20~30回・・・)

【 到 来 】

 

 マネジメントシステムの新しいISO国際規格は、2000年頃までに沢山制定されました。

新たに制定された規格には、漏れなく内部監査が要求されています。

そのお陰で、私が元所属していた製造工場などでは、“年間に20~30回の何らかの監査”が行われるようになったと聞いています。

例えば、QMS監査(品質関係)、EMS監査(環境関係)、労働安全衛生監査、情報セキュリティー監査、コンプライアンス監査、本社監査(事業本部、品質本部、経営監査)などです。

それぞれに担当する事務局が異なるので、それぞれが内部監査を計画して実施することになるのですが、監査を受ける現場は、毎週、何らかの監査が実施されている計算になります。

何となく、監査ブームの到来で異常な社会現象になっているような感じさえ受けることもあります。

 

製品に対する顧客クレームは、製品設計と製造工場の両方に原因があるわけですが、意外に設計が占める割合が多いと思います。(勿論、企業によって異なります。)

それでも、各種の内部監査が製造工場に集中して実施されるのは、何か理由があるように思います。

きっと内部監査員にとって、部門監査、項目監査と言われる‟適合性監査”人的ミスの発生を検証して不適合(以降、改善課題と表現)を検出し易いからではないでしょうか?

ISO9001:2015年版では、2008年版と同じようにプロセスを特定してプロセスの順序と相互関係から、製品、サービスの品質保証体制を一気通貫で検証する“システム監査”が求められます。

 

ISO9001:2015年版は、発行されてから2年を迎えようとしています。

今迄、ISO9001規格は、5年を目安として改訂されていたのですが、今後は、長期的(10年位?)に使えることを意図していると聞いているので、当分の間改訂が予定されないと聞いています。

このISO9001:2015年版への対応を機会に、既存QMSを改善してパフォーマンス重視の内部監査に取組む必要性を強く感じます。

 

第1回第2回

第3回終わり 第4回