【案内】LMJジャパン研修コースってどんなもの?

 

 内部監査員を目指す人は、ISOの知識や内部監査の基礎知識だけでなく、内部監査に対する自覚、情熱、責任などの“資質”を持っていることが求められます。
 その内部監査員を育成する研修講師には、内部監査員に求められる能力以上に幅広い知識と豊富な経験を持っていることが必要であることは、改めて述べる必要のないことです。
 なかでも、私が一番大切だと思っているのは、内部監査員を育成してQMSを事業活動に役立てようとする“情熱”を持って“本気”で向かい合うことです。

今の時代、情熱を持ち過ぎ厳しく指導し過ぎると、“パワーハラスメント”になる可能性もあるので、適度な情熱を持つのが良いかも知れません。
 LMJジャパンが実施している内部監査員を育成する研修を紹介します。

一般的に研修カリキュラムは、講師の立場から受講者に“何を教えようか”いう考えで立案されますが、研修で重要なことは、受講者がこの研修を受けたら“何が実施できるようになるのか”と、いう視点でカリキュラムを考えることだと思います。

そういう視点で各研修の狙いを紹介しますので、参考にして頂けたら幸いです。 。
(一部アイソス掲載記事2017年7月号に掲載)

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LMJジャパン主任講師   青木 明彦

 

研修コースの紹介

 

【 研 修 】

 

(1)ISO9001規格解説セミナー

 ISO監査員は、ISO規格の要求事項を理解していることが前提です。
この研修では、QMSの基本(規格やシステム監査の目的や歴史)及びISO9001:2015年版の内容を一通り解説しますが、要求事項の言葉の違いにだけ着目しないで、その本質(組織が何を実施するか?)を理解することも重要視しています。

しかも、ISO9001規格を初めて読む人も受講できるように解説しますが、ISO9001:2015年版の要求事項を一読して、疑問点を持って受講されると理解も早いと思います。
この研修を受講すれば、ISO9001:2015年版の要求事項の意図を理解することができます。
従って、組織に合致したQMS構築と内部監査を行うときの着眼点も意識しながら学習されたら、更に効果が高まります。
 

(2)ISO9001内部監査員養成講座(基礎編)

 この研修は、規格要求事項と内部監査に対する“基礎知識”を体系的に理解して頂くことを主な目的としております。
研修内容は、内部監査の基本的な考えに基づいて監査手順、監査技法などの解説及びケーススタディーを用いた演習を行い、LMJの「是正処置要求書」の書き方の基礎まで習得するジョンソン方式の研修です。

 この研修を受講することで内部監査員として、最低限の基礎知識をが得てもらうために、内部監査員としてまず規格要求事項と、組織が決めた独自のルールが合致しているかを確認する“適合性監査”と有効性監査との違いまで理解することができます。

経営トップの代行として、パフォーマンス重視の内部監査に取組むためには、実際の監査経験を積み重ねて更に監査技術を磨くことが求められます。
 監査技術を高めるためには、基礎知識を習得した後、監査経験を積むための次のステップとして(以下応用編)も受講して有効性監査ができる力量を身に付けることをお奨めします。

(3)QMS内部監査員養成講座(応用編)

 内部監査員は、経営トップの代行者としてQMSの有効性やパフォーマンスを検証して報告する役割があります。
その役割を果たすためには、経営トップが意図する監査テーマに対する結論を導き出すために事前準備が重要であることを自覚して実施することが必要となります。

できることなら、公式な内部監査を実施する前に、何回も予行演習のシュミレーション内部監査を実施して、経験を積み重ねることができると良いのですが・・・就業中に予行演習という業務を実施することは、なかなか難しいでしょう。

即戦力の内部監査員を育成するためには、OJT重視(OJT=トレーニング)訓練まで実施する研修が必要です。  
 本研修を受講することで、組織のQMSの弱点(ボトルネック)を分析して、被監査部門の管理者を相手に直接質問して改善の必要性を説得して合意したうえで改善に導くことができるようになります

 内部監査で一番難しいのが、被監査部門の管理者を相手にして、最初に何を質問して、次に何を確認して、更に改善課題を特定して合意する、という流れを瞬時に判断しながら繰り返して実施しながら最後に被監査部門の管理者を説得しなければならないからです。(図8)

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 この研修では、テキストを使った座学の説明は殆ど実施しません。
 基礎研修では、監査員と被監査部門との間で交わされた監査の会話を台本として作成した『ケーススタディー』を使って不適合を発見する訓練を行います。

 本研修では、実際の内部監査を想定した『ケーススタディー』として手順書と記録だけを使って潜在的な不適合を発見していく監査を作りあげていく“より実践的に設計された研修”です。

指導する講師も、内部監査員の質問に合わせて被監査部門の管理者(社長役、部長役、課長役)を演じて対応しますので、台本の無いより実践に近い型の研修になります。
その主な内容を少しだけ紹介させて頂きます。  

(1)知識として適合性監査と有効性監査の違いを説明。(ここだけは、座学です)
(2)適合性監査の進め方。
    ・手順書から監査テーマを決めてチェックリストを作成する訓練。
    ・監査テーマを経営トップに説明して承認を得る訓練。
    ・手順書から組織の重要項目を特定して事前準備を行って適合性監査の訓練。
(3)有効性監査の進め方
    ・手順書と記録から監査テーマを決めて事前準備を行う訓練。
    ・事前準備の結果を経営トップに説明して承認を得る訓練。
    ・手順書と記録から組織のQMS弱点を抽出して改善課題を合意する有効性監査の訓練。
(4)経営トップに改善課題を報告してコミットメントを引き出す監査報告書を作成する訓練。

 

内部監査員としてISO9001の要求事項から、組織で構築したQMSの“あるべき姿”を頭の中でイメージできることと、構築したQMSを改善する必要性に気付かせる“コーチング”の知識を身につけることは、大変大切なステップです。

監査の基礎知識を“頭で理解”するだけに留めないで、模擬監査を体験して“体で覚える”ことが必要です。

(4)QMS改善セミナー

 この研修では、形骸化していると言われるQMSの改善点に気付いて頂くことを主な目的としております。

その内容は、ISO9001の要求事項を解説することではなく、その要求事項の意図を理解して事業活動に役立つQMS構築の方法を振り返ることに軸足を置いています。

組織のQMSは、組織の規模や事業の製品などによってQMSの構築方法が違いますので、統一したQMS改善を強要するものではありません。
QMS構築の重要ポイントを見直して、何処を改善したら事業活動に役立つのかということに気付いて貰うことを狙いとしています。
従って、受講者が、自部門のQMS改善に対する問題意識(改善したい課題)を持って参加することが重要です。

 このセミナーでは、組織の品質マネジメント(QM)と、製品、サービスの品質保証(QA)の両面からQMS改善点を検討しています。
そのセミナーの内容を少しだけ紹介させて頂きます。

① :品質マネジメント(QM)
   ・組織図と業務分掌に基づくプロセスの特定と管理方法。
   ・業務フローチャートと帳票を使ったQMS構築の方法。
   ・組織の課題を解決するための品質目標の設定方法と実施計画の立案方法。
・課長が課員に業務を指示してコミュニケーションを図る方法。
・プロセスの監視、測定、分析、評価の方法。
・内部監査とマネジメントレビューの実施方法。
②:製品、サービスの品質保証(QA)
   ・課員の業務遂行に必要な力量と認識を管理する人材育成計画の管理。
   ・新しい事業活動を提案(機会)する顧客満足調査の方法。
   ・事業活動の品質問題(リスク)を特定する品質ゲートと品質情報の視える管理。
・事実に基づく外部提供者の継続的評価と予防処置の管理。
・製造工程でヒューマンエラーを削減する作業者とのコミュニケーション方法。

 

(5)ISO9001主任審査員コース

  この研修は、ISO審査員としてJRCA(日本)やIRCA(英国)に登録するためのコースで、IRCAは、全世界共通の正式名称(Quality Management Systems Auditor / Lead Auditor Training Course)で開催している歴史と権威ある内容です。


 このコースを修了すれは、ISO審査員資格(修了者は、審査員“補”の登録が可能)を取得することができますが、研修の最後に大きな関門としてJRCA、IRCAに登録する資格を得るための厳しい「修了試験」があります。
 講師は、この試験に合格することを保証したいところですが、そこまで関与することができません。
試験に合格するためには、講義内容を一生懸命に理解しようと前向きに、チームとの連携を取って取り組んで頂くことが前提となります。

受講される皆様には、それでも実績として100%の合格率は得られないほど厳しい試験であることを御理解い頂いた上で熱い情熱を持って臨んで頂きたいと思います。

 この研修は、ISO第三者審査員としてのスキルをを取得することを目的としていますが、現在参加される受講者は、内部監査を担当されている人達が殆どです。


 その理由は、付加価値の高い内部監査を通じて構築したQMSを更に改善したいという組織の意図があるものと思います。
このことから予測できるのは、組織がQMSのパフォーマンスを向上させるために内部監査のレベルを高めようとしてISO審査員資格を取得しようとしていることです。


企業は、既存のQMSを改善する必要性を認識しており、内部監査の付加価値を高めようとしている企業が増えていると言える裏付けだと思います。

 この研修では、第二者監査に軸足を置いたケーススタディーを使ってISO9001の要求事項に対する不適合を抽出する作業を演習で実施します。
その発見した不適合は、類似する項目を整理して“チャンクアップ”して「是正処置要求書」を作成することで、“経営トップに組織全体のQMS課題を伝える”方法に特徴を持っています。


経営トップには、発見した不適合を“一件一様”で報告しても組織全体の問題が伝わらないので、内部監査の付加価値を高めたいと思っているなら挑戦されたら良いです。


その改善課題をチャンクアップする方法を簡単に紹介させて頂きます。


例えば、発見した改善課題の総数が15件あったと仮定します。(少し多めに設定しました)

改善課題は、教育=2件、是正=6件、計測=2件、記録=2件、文書=3件などがあったとします。

この場合、一件一葉で是正処置対策書を発行したら15枚作成することになり、処置対策も小さな改善となるので単なる
“もぐらたたき”と言われる対策になってしまいます。

 経営トップに対しては、発見した改善課題を類似した項目でグループ分けして共通課題(例の場合なら5枚)に整理して「是正処置要求書」を発行すれば、処置対策も組織全体で検討して実施する事になりますから、分かりやすく、効果的なQMS改善に繋がります。

  • 但し、重大な品質問題の改善課題は、複数見つかる可能性が極めて少ないので、一件一様で「是正処置要求書」を作成して、組織全体として処置対策を実施するということもあります。

 

  (6)ISOフォーラム

 このフォーラムは、LMJのISO審査員コースに合格された卒業生のフォローを対象にしたもので、定期的に開催しています。
 その目的は、個人の監査スキルを更に向上させるために自主活動となる“Give&Take”をコンセプトとして実施しています。
このセミナーは、参加者が目的意識を持って参加していただくことで、互いの悩みや問題点、成功事例をディスカッションして相互啓発していくことを狙っています。
自部門で困っているQMSの問題、内部監査の問題、ISOの要求事項などを積極的に相談して改善のヒントを得ることです。


その改善のヒントは、組織に持ち帰ってQMS改善が実施できたら、その結果から成功事例や失敗事例を再びこのセミナーで紹介して自部門の事業活動に役立つマネジメントシステムに改善するという狙いです。

 このISOフォーラムの参加者は、内部監査員、コンサルティング、ISO第三者審査員など、QMS、EMSやその他ISMS、OHS、FSMS等の様々な、専門性の高い業務にプロ意識を持って取り組まれている方が多いため、一緒に仕事をする方からは“また来てください(また一緒に仕事しましょう)”と御指名が掛かるように継続的な自己努力を求めて来て頂いております。

 LMJジャパンが開催している研修は、ISOの要求事項や内部監査の基礎知識を得るための研修と、更に付加価値の高い応用技術の研修で教育体系を構築しています

 
※今回、紹介したQMS教育体系を以下の図に整理しました。(図9)

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