小林 元一(こばやし  げんいち)講師

小林元一講師
LMJジャパン  日本代表
 

■英国IRCA/日本JRCA登録QMS主任審査員
■アメリカ機械学会(ASME)正会員
■アメリカ品質管理学会(ASQ)正会員
 
原子力発電所の建設、運転維持及び、核燃料設計・製造プロジェクトに従事。1992年からISO規格の品質システム審査登録制度の導入期に審査登録機関、品質システム審査員研修機関の設立及び立ち上げに参画。LMJ米国本社 L. Marvin Johnson創始者より直接指導を受け、アソシエイト(主席講師/日本人では5人のみ)として認定される。1997年日本検査株式会社取締役マネジメントコンサルティング企画室長を経て、現在ISO-MS有効会会長として活躍中。

主な著書
「真ISO9000早分かり」
「図解これは使える プロジェクトマネジメント」(オーム社)

LMJの創始者である、L. マービン ジョンソンが監査員養成コースを始めてから半世紀を経過致しました。米国における、原子力発電所建設が盛んになったことがその要因と言われております。

この背景には、米国機械学会(American Society of Mechanical Engineers)の圧力容器規格が整備され、原子力産業に適用されるようになり、就中、取引先業者の選定・評価目的で発注側が監査を行うなったことが挙げられています。


しかし、監査員の研修を系統的に行うようになっていなかった。このため、監査員の質のバラツキが常に問題となったとの話を、L. マービン ジョンソンから聞きました。
私も、ジョンソン先生が、日本に始めて来訪され、主任監査員コースを始めた時から、同席させて頂き、OJTを含めて訓練を受けさせて頂きました。1973年頃より、国内の原子力発電所の建設・定検・改造プロジェクトに関わり、このコース参加の少し前までの7年間を核燃料の設計・製造プロジェクトに従事した経験があり、何とか、見よう見まね、で「監査」を行ってきました。ジョンソン先生の、長年の経験及び系統化された理論に触れ、「目から鱗が団体でおちた」思いが致しました。

被監査側と監査側の立場が対等であることは、今では当然の事なのですが、当時の日本では、この壁を破ることから始めなければならない状況でした。また、監査と言うと、「重箱の隅を突く」とか、「誤字・脱字さがし」、とか、「不適合捜しのための監査」とかとも言われてきました。

しかし、ジョンソン先生のコースは、「客観的な証拠(=Objective Evidence)」に裏付けられた、「再現性のある事実の裏付け」に基づき、立証する合理的な進め方を学びました。問題点の与える影響の大きさ(=Magnitude)及びその発生の頻度(=Frequency)という、今では、常識との云える「リスクマネジメント」の考え方を含んでいました。その先見性の高さを、現時点で考えても、秀でた内容であると言えます。

監査という行為は、ひたすら不適合を多く指摘したりするだけの「行為」ではありません。その時点における、「監査の目的」に沿って実施して、始めて「有効な監査」となり得ます。常に、「目的は何か」という原点に沿った監査、「目的指向」の監査を目指すことであると、L. マービン ジョンソンは、私共に、メッセージとして伝えたかったのではないかと思えます。